このたび石川県能登地方を震源とする大規模な地震により被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。
TCMオーケストラ・アカデミーにおきましては、この地震で被災された受講生に対する受講料の免除や、受験生への検定料免除等の経済的支援を行うとともに、本アカデミーとして提供できる可能な限りの支援を行う所存です。つきましては、個々の状況により配慮いたしますので、社会連携部事業課までご相談ください。
東京音楽大学 社会連携部事業課
03-6455-2746 (平日 9:00~17:00)
tcm-oa@tokyo-ondai.ac.jp
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東京音楽大学付属オーケストラ・アカデミー(通称:TCMオーケストラ・アカデミー)は、オーケストラ奏者として国内外で活躍することができる力を身につけ、高度な演奏能力を持つ音楽家を育成することを目的とした、新たなオーケストラ奏者養成機関です。この養成機関では、東京音楽大学の教授陣および国内外で活躍する演奏家・指導者による、オーケストラ実習、オーケストラスタディ実習、個人レッスン、室内楽実習、模擬オーディション、演奏会など、オーケストラ奏者としての能力向上に特化したカリキュラムを実施しています。
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TCMオーケストラ・アカデミーの拠点である中目黒・代官山キャンパスは、中目黒駅と代官山駅からそれぞれ徒歩約5分という立地のよさに加え、都心でありながら豊かな緑の中で芸術性・創造性を育むことができる環境です。豊かな音響を備えたTCMホールでの実習をはじめ、最先端の音響設備を備えたTCMスタジオではオーディション応募用の演奏動画等を制作することができます。キャンパスからは、多くの名だたるコンサートホールへのアクセスが良いことなど、音楽に没頭できる環境が揃っています。
TCMオーケストラ・アカデミーの指導陣は、オーケストラ奏者としてトップクラスの実績と経験を有しています。それぞれの楽器の指導陣が、演奏技術のみならず、オーケストラ奏者としてのさまざまな知見を伝授します。「オーケストラ実習」では合奏に指導陣が混ざり、アカデミー生のすぐそばで、的確なアドバイスを行います。また、「模擬オーディション」、「個人レッスン」では、オーケストラ奏者としての心構えも教わることができます。
国内外で活躍する著名な指揮者を迎え、指揮者が描く世界を一緒に創りあげます。演奏会では、曲を通して作曲家や時代背景、指揮者や指導陣からのたくさんの経験談などを聞くことができ、オーケストラ奏者としての世界観を広げることができます。
2024年度 指揮者(予定)
●尾高忠明 ●秋山和慶 ●川瀬賢太郎 ●下野竜也 ●ユベール・スダーン(敬称略・順不同)
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演奏会を通してさまざまな作品を演奏することで、オーケストラ奏者としての技術・知識・心構えを学びます。学部でのオーケストラ授業では演奏する機会の少ない高難度の曲も扱います。また、受け身ではなく自らがオーケストラを創りあげる姿勢も身につけることができます。(年5回)
プロオーケストラ入団時に課される各楽器のオーディション課題曲を、実際のオーケストラの中で体験できる実習です。課題曲ごとに必要とされる奏法や解釈などを学び、模擬オーディションとあわせて、オーディションに備えます。個人レッスンだけではなく、実際のオーケストラの中で行う「オーケストラスタディ実習」は、他にはない本アカデミーの特色です。(年10回)
オーケストラスタディなどを中心に、実際のオーケストラやオーディションを想定した実技レッスンを行います。第一線で長年活躍している指導陣から、演奏技術や表現力を学びます。(年20回)
オーケストラ奏者に必要なアンサンブル力を、室内楽演奏会を通して身につけます。少人数での演奏では、より自主性と協調性を養うことができます。(年2回)
実際のオーケストラのオーディションを想定してTCM ホールで実施します。協奏曲やオーケストラスタディを演奏し、本番の緊張感・空気感に少しでも慣れるようにします。指導陣のアドバイスだけでなく、アカデミー生同士で聞きあい、お互いに意見を交わします。(年2回)
LOVE ORCHESTRA! LOVE ORCHESTRA! LOVE ORCHESTRA!
LOVE ORCHESTRA! LOVE ORCHESTRA! LOVE ORCHESTRA!
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TCMオーケストラ・アカデミー 音楽監督
ホールがいい。それが、TCMオーケストラ・アカデミーの大きな魅力だと思います。世界各国の有名なホールで指揮をしてきましたが、初めて東京音楽大学のTCMホールで指揮をした時、「ああ、いいホールだなあ」と心から実感しました。私は学生に、「オーケストラにとって一番大事なのは、ホールである」と常々言っているんです。オーケストラは、練習場と本番で演奏ホールが異なるのが通常。ホールが変われば、音はまるまる変わってしまいます。ですが、ここでは、練習からゲネプロまでを3日間同じホールでやり通し、本番もそこで演奏できる。これは、とてもぜいたくなことなので、存分に噛み締めて、練習に励んでほしいと思います。
そしてTCMオーケストラ・アカデミーは、私自身も圧倒されるくらい、非常に熱心な先生が多いです。それに伴って、学生たちのやる気も素晴らしいと感じますね。
私にとってここの学生たちは、同じ舞台の上に立ち、これからのオーケストラ界をともに盛り上げる「仲間」。年齢は50歳以上離れているのですが、音楽を通して一つになれる感覚を味わうたびに、やっぱりうれしいし、素敵なことだなと思います。
難しい曲に苦労することもあるかもしれませんが、ぜひ、自分を目一杯鍛え、仲間と学び合い、いい演奏家になってくれることを期待しています。
Tadaaki Otaka
(オーボエ)
演奏会の練習では、指揮者の先生や担当楽器の先生だけでなく、他の楽器の先生からも指示やアドバイスが入ります。さまざまに飛び交う指摘を理解し、すぐさま演奏に反映していくのは結構骨が折れることだと思います。ハードな局面にも恐れずぶつかり、乗り越え、プロへの道をつかんでください。
Humiaki Miyamoto
(ホルン)
大学の学部4年間でオーケストラについて学べることは、ほんの少し。オーケストラの現場で学ぶことの方がはるかに多いのです。それをできるだけ早く学生さんたちに教え、プロへの橋渡しをしたいと思います。日本トップレベルの経験と実力を持つ先生に教わりながら、自分をとことん磨き上げてください。
Nobuyuki Mizuno
(クラリネット)
音楽は、答えがひとつではありません。せっかくプロになるためにどっぷり集中できる場なのですから、ぜひ先生と、そして周りの仲間たちと音についてたくさん議論して、学びを深めていってください。オーケストラが好きで、プロのオーケストラ奏者になりたい方は、どの出身大学でも大歓迎です。
Seiki Shinohe
(ヴァイオリン)
まるで『寺子屋』といってもよい教育機関、それがTCMオーケストラ・アカデミーです。実際にオーケストラ活動を夢みる人に必要な実用的な事を深くすり込んでいくために私達はいます。その熱意は皆、オーケストラの素晴らしさを実感している『体験者』だからこそなのです。もちろん、生徒達の輝く瞳がそれに応えてくれています!
Eiji Arai
(チェロ)
自分では想像もしなかった風景を見せてくれる音楽監督尾高忠明先生を始めとする指揮者陣、数十年の蓄積した経験を惜しみなく伝えてくれる指導者陣、オーケストラを愛し音楽に渇望する仲間と共にオーケストラや音楽を追求する場がTCMオーケストラ・アカデミーです。年5回の定期演奏会、希望する教員の個人レッスン、仲間との室内楽の演奏会、オーケストラスタディの模擬試験、そして東京音大の誇るTCMホールでの練習と本番が皆さんを待っています。
Hiroyasu Yamamoto
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1期生 トランペット
自分が師事している先生が教えてくれること、そしてレッスン業と並行しながら通える立地環境が決め手となり、入学しました。学部での学びよりももっと深いところを掘り下げられていると日々感じています。先生方は本当に面倒見がよくて、熱く、きめ細かく指導してくださるんです。オーケストラを仕事にしたい人はもちろん、オーケストラに憧れがあって、人生の重要な一部にしたいという人にとってもうってつけの場所だと思います。
Nagi Yoshiya
1期生 ファゴット
音楽大学でも、大学院でもオーケストラを勉強してきましたが、プロのオーケストラ奏者を目指す上でより専門的にアンサンブルを学びたいと思い、入学しました。入学して1年半が経ちましたが、演奏に対して実にさまざまな角度の見方や考え方があることを知れて視野が広くなったと思いますし、成長できていると実感します。いままで勉強してきたことをベースに、もっと繊細に緻密に演奏力を高めたいという人には、とてもおすすめです。
Hiromi Sasa
1期生 ホルン
水野先生に教わりたいと思い、入学しました。入ってみて思うのは、先生たちに質問がしやすいんです。ここまで先生たちとの距離が近く、密に教えていただける場は、他にはないのでは…?と思うほど。先生方は、オーケストラの経験者かつオーケストラに特化して教えている方ばかりなので、一言一言が身に沁みています。ホールが中目黒にあることで、ご近所さんだけでなくいろんなお客さんが演奏会に来てくださるのも大きな刺激になってますね。
Rikiya Kikuchi
1期生 ヴィオラ
大学卒業時に、いままでとはガラリと環境を変えたいと思っていた中で、先生方の顔ぶれの豪華さに惹かれて入学を決めました。学部でのオーケストラの授業と違い、ただうまく演奏するだけでなく、曲が生まれた背景なども含めた本質から細部にいたるまでをしっかり勉強できていると思います。また、ベートーヴェンを演奏する機会はこれまでほとんどなかったのですが、ここではたっぷり取り組めているので、貴重な経験を積めていると思います。
Yuichiro Motoki